パンフレットやポスターでは人を惹きつける写真画像が数多く使われています。
苦労して撮影した写真画像や有料サイトでダウンロードした素材画像など数多くの写真画像が使われています。
でも印刷されたパンフレットなどを見ると、写真の色がイマイチだった…なんて事経験したことがありませんか?
いくら良い素材の写真画像でも、パソコンの画面で見ていた写真画像の雰囲気と仕上がった印刷物のパンフレットを見比べると写真画像の色調に違いが生じてしまいます。
印刷する紙質にもよりますが、基本的にパソコンやスマホで見ていた画像の色調とパンフレットのような印刷物の色調は画像モードに違いがあり、モニター上で見る『RGB』モードと印刷物で表現する『CMYK』では表現できる色域(色の表現幅)が大きく違います。
決められた色域で表現される『CMYK』の印刷ではどうしても、色の再現性が狭まり暗く見えたり、鮮やかさが損なわれたりしてしまいます。
左側のRGB画像は色域が広い為、鮮やかですが右側のCMYK画像は色域が狭いために鮮やかさが失われます。
このような悩みを解決するために印刷する前に画像色補正をおこなう事で格段に画像が明るく鮮やかに表現できます。
画像補正処理を上手く取り入れることで写真画像がみちがえて良くなり、パンフレットやポスターの見栄えが変わります。
今回のテーマではチラシやパンフレットを惹きつける画像補正の効果についてご紹介いたします。
画像補正の効果 ~明るくする~
画像補正の処理をおこなうにはアドビシステムズ社のPhotoshop(フォトショップ)というアプリケーションがおすすめです。
レイアウトデザインはillustrator(イラストレータ)ですが、写真補正や画像加工に関してはPhotoshopで処理をしていきます。
写真画像の補正で一番多い悩みは使用される画像が暗いということです。
正直、製版の仕事を沢山請け負ってきた中で色補正の一番多いオーダーが『画像を明るくお願いします!』でした。
撮影されたカメラマンさんでも違いますし、カメラの機材でも差はでますが、元画像はそこそこ綺麗にみえていますが、実際Photoshopで印刷モードの『CMYK』で変換するとかなり暗くなります。
そこでPhotoshopの色調補正モードのトーンカーブや色域調整などのモードを駆使して色の調整やバランスを整えていきます。
画像補正の効果 ~彩度をあげる~
画像補正効果の2つ目でご紹介するのは写真画像の彩度をあげる処理です。
画像には様々な要素がありますが、彩度を上げることにより鮮やかさが増し、メリハリがついた画像になります。
料理写真画像で例にあげますと、彩度を上げることにより料理の盛り付けが引き立ち見栄えがUPします。
不安がある場合は、補正した画像を確認するために印刷する前に色校正をあげて確認することもお薦めです。
写真画像はそのままでもある程度綺麗に表現されますが、画像補正をかけることによって、より商品の付加価値を高めることができますので、時間と費用がある場合には補正することでパンフレットの見栄えも変わります。
画像補正の効果 ~濃度UPとシャープネス効果~
最後に画像補正効果の濃度UPとシャープネス効果についてご紹介します。
写真補正のオーダーで画像の濃度UPと加えて『写真全体をシャープにしてください』という要望も非常に多くあります。
濃度UPは文字通り画像全体を濃くしてボリューム感をもたせる場合に効果があります。
シャープにというオーダーは画像の輪郭など『像』そのものがぼやけていたり、ハッキリとしていない画像をよく見せるために画像補正で調整します。これをシャープネス効果と呼んでいます。
人物の写真画像もそうですが、特に商品画像で現物と比べて色調が弱く(薄くかんじる)ぼやけて魅力を感じない場合は濃度UPやシャープネス効果で対応します。
補正前画像は濃度も弱く、シャープさも無い感じですが、補正後は色の濃度も濃くなりシャープな仕上がりとなりました。
まとめ
今回は画像補正の効果についてご紹介しました。
画像補正をかけることにより、パンフレットやチラシなどの印刷物の仕上がり具合が変わってきますので是非活用してより良い印刷物を作成してみてはいかがでしょうか。
- 画像を明るくする
- 画像の彩度を上げる
- 画像の濃度UPとシャープネス効果をかける
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