印刷物で使用する本紙は様々な種類がありますが、最近では環境に配慮した紙が使用される事も多くなりました。
今回ご紹介する『バガス』という紙もSDGsにちなんだ環境にやさしい印刷用紙となります。
バガスとは
バガスはサトウキビの搾りカス
バガスという名前はサトウキビの搾りカスという意味となり、世界で年間約1億トンのバガスが発生していると言われています。一般的に燃料などに使用されますが、廃棄されるものも多く、廃棄されるバガスを紙の原材料としてパルプとして用いる事で、リサイクルにも繋がっています。
バガスが環境にやさしい理由
バガスが環境に配慮したやさしい紙である理由をあげてみました。
- 廃棄物を利用する事で、資源の活用やリサイクルに役立ている。
- バガスを材料にする事で、木材の使用量を減らし、森林資源の保護につなげています。
- 紙を製造する工程において、木材原料のような伐採、集荷、運搬等にかかる時間やエネルギーをカットできる省エネ化が可能である。
以上のような事が理由としてあげられます。
更にバガスはFSCと呼ばれる(Forest Stewardship Council)の称号を得ております。
FSCとは森林認証という適切な森林管理が行われている認証制度のことであり、環境に配慮した体制化で認められた木材を原材料としております。
五條製紙株式会社HPサステナビリティより引用
https://www.gojo.co.jp/eco/future
バガスの種類と活用例
バガスの種類
バガスには様々な種類が存在します。ラフバガスや高白ラフバガス、ハイブリッドバガスなどかなり高級志向の紙質となります。
ラフバガス
テイストはクリーム基調なベース色でアイボリーな色合いが特徴です。名前のごとくラフ感がたっぷりと表現されていますが、インクの発色は良く、印刷時にかなり沈んだ感じにはなりますが重厚なボリューム感は生まれます。
高白ラフバガス
テイストはラフバガスより白くオフホワイトな印象です。こちらもラフ感が強く、ラフバガス同様に重厚なイメージで印刷した場合にインクの沈み具合が強くなります。紙の地色が白いことからも、活用されるパターンが多くなります。
ハイブリッドバガス
テイストは名前のごとくハイブリッド感が満載という感じで、表面は先般のラフバガスや高白バガスよりかなり『ツルツル』した感じで正直ラフ感は感じません。イメージとしてはキャストコート(エスプリコート)のような感じで艶やかな表現で印刷時のインクのノリも良く、沈み具合も無く色の再現性はかなり高いと感じます。
代表的なものをチョイスしましたが、まだ他にもいくつか種類が存在します。
紙の厚みとしては紹介したものでは厚いものが多く、180kg~300kgぐらいまでの厚みがラインナップとして用意されています。
バガスの活用例
紹介しました3種類のバガスですが、基本紙厚が厚いものが多くなりますので、やはり高級カタログの表紙やお洒落なポストカードまたは招待状など特別感を表現したい時に使用するのがオススメではないでしょうか。
鮮やかな写真画像は印刷時にインクが沈む可能性が高くなりますので、ハイブリッドバガスであれば綺麗な表現が可能ではないかと思います。ただ紙質のラフ感などテイストを楽しみたい時にはラフバガスや高白ラフバガスがオススメとなります。
どのような印刷物を作成するかによって選択する紙も変わってきますので、迷った場合や不安な時は印刷会社に相談してみてはいかがでしょうか。また仕上がりに際してはPDFやカラーコピー紙とは雰囲気がかなり変わりますので、予算に余裕があれば本紙色校正を行うことをオススメします。
まとめ
今回は特殊紙でも、最近注目を浴びている環境にやさしい印刷用紙『バガス』についてご紹介してきました。
地球温暖化に対する課題解決が世界中で話題になっていますが、SDGs =Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を掲げてより良い環境や人々の生活を豊かにする活動が注目を浴びています。
印刷業界においても環境に配慮した印刷機やインク成分など以前より、そういった観点からの仕事も多くなっています。
今回のバガスにように環境にやさしい紙は他にもまだありますので、企業イメージをUPするうえでも、このような製品を積極的に使用する事で、企業ブランドの価値が上がる時代がくると思いますので是非活用してみてください。
今回は以上となります。 最後までご覧頂きありがとうございました。