紙の厚みは何故『kg』で表現されるのか?

印刷用紙で使用する紙は非常にたくさんの種類があります。種類以外にも『厚み』が存在します。

よく印刷会社の方から、『コート110kgや上質135kg』などの表現を聞いたことがないでしょうか。

紙の厚みを表現するのになぜ『kgが使用されるのでしょうか?

kg』って言えば重さの単位ですね…
紙の厚みとどういう関係があるのかしら?

この記事の内容について

●紙の厚みは連量や坪量で表現されます。なぜkgで表現されるかをご紹介します
・ kgは連量1000枚での重さで表現される
・ 原紙サイズにより紙の重さは変わる
●印刷媒体に応じた紙の厚みをチョイスできるようにベストな紙厚を紹介しています。

目次

紙の厚みは連量や坪量で表現される

kgは連量1000枚での重さで表現される

チラシやパンフレットなど印刷物を作成する際に、大量に印刷用紙を発注します。

一般的な印刷用紙である『コート紙』(ツルツルと光沢感のある紙)や上質紙(コピー用紙のような光沢感のない紙)などは、印刷の際に1枚づつ紙を購入する訳ではありません。ある程度纏まった数量で紙を発注する事が大前提となります。

そこで印刷用紙は原紙(断裁されていない正規サイズの紙)サイズを纏まった数量で発注することになりますが、この纏まった数量が1000枚単位で行われます。これを連量(れんりょう)と呼んでおり、1000枚=1連もしくは1Rと表記します。

では110kgや135kgの表現にどのように繋がるかと言いますと、1000枚での重さを測った時に110kgや135kgの重さがあるという事で、kgが使用されています。

135kgでは1000枚で135kgの重さ、90kgでは1000枚で90kgの重さという事になりますので、やはり単位が小さくなれば紙厚は薄くなります。印刷会社の方であれば、印刷部数が確定した段階で紙の発注を行いますが、この時に実際どれだけ枚数が必要かを計算して例えば3,000枚必要であれば、3Rを発注する事になります。

プリプロ編集長

よく使用されるkgにはこのような意味合いが含まれていたのですね!

もう1つの表現としては坪量(つぼりょう)で重さを表現することもあります。坪量の単位はg/㎡(グラムマイへーべ)で表現されており、1m×1mの紙の重さを表します。坪量が大きくなればなるほど、紙は厚くなります。マニアックな表現となりますので、一般的に使用される事はあまりありませんので、予備知識として覚えておく程度で良いと思います。

原紙サイズにより紙の重さは変わる

紙には原紙サイズがあります。国際基準に定められた規格サイズにより、四六全紙(しろくぜんし)、菊全紙(きくぜんし)
Aサイズ、Bサイズなどが一般的に印刷物で使用されるサイズとなります。また厚紙表現ではK判やL判というサイズも存在し、包装紙で使用されるハトロン判という規格サイズも存在します。

各サイズの大きさは下記にようになります。

サイズ名全紙サイズ(単位㎜)
ハトロン判900×1200㎜
L 判800×1100㎜
四六判788×1091㎜
B 判765×1085㎜
K 判640×940㎜
菊 判636×939㎜
A 判625×880㎜
原紙サイズ一覧:サイズの大きい順にて

サイズの表記をしましたが、チラシやパンフレットなどで使用される紙サイズは四六判や菊判、A判となります。
紙の厚みは一般的には四六判ベースで表現されることも多く『コート135kg』でお願いしますと言われます。

ここでは四六判でいう135kgが菊判のサイズになった場合は135kgから93.5kgへと重さの表現が変わります。
紙のサイズが小さくなる事で重量は変わります。ですが、四六判サイズの135kgと菊判サイズの93.5kgは同じ事を言いますので、紙の厚みは同じ意味合いとなります。

ちなみにA判サイズでは1,000枚で86.5kgとなります。これも四六判サイズの135kgと同じ厚みを意味しています。

実際には紙を発注する際には印刷機に入る紙サイズを選択しますので、印刷会社では菊判の93.5kgやA判の86.5kgで注文する事が多く、このような重量でクライアントへ連絡することもあります。よって違いが分からないと、『あれっ?135kgでお願いしているのに なんで93.5kgなの?』という疑問が生まれますが、厚みとしては同じ事を言いますので問題はありません。

一般的によく使用される紙サイズの厚みと重量の関係を纏めてみました。

四六判菊判A判B判
220kg153kg  
180kg 125kg 115㎏173.5kg
160kg 111kg
135kg 93.5kg 86.5kg130.5kg
110kg 76.5kg 70.5kg 106kg
90kg 62.5kg 57.5kg 87kg
73kg 50.5kg 46.5kg 70.5kg
70kg 48.5kg 44.5kg 67.5kg
68kg 47kg 43.5kg 65.5kg
63kg 43.5kg 40.5kg 61kg
55kg 38kg 35kg 53kg
45kg 31kg 28.5kg 43.5kg
サイズ別連量比較

上記にような感じで重量に差がありますが、横並列で厚みは同じとなります。少しややこしい感じがしますので、こちらも知識の一部として覚えておく程度で十分です。


紙の厚みに適した印刷物のチョイスとは

何故kgで表現されるかはご理解頂けたとは思いますが、印刷に詳しくない方が90kgや110㎏といった数値を聞いても、正直ピンと来ないのではないでしょうか。

実際には紙のサンプル見本帳などで厚みの確認を行えますが、一般的に印刷媒体でよく使用されている厚みをご紹介します。

紙の厚みのいろいろ

印刷用紙はほんとに沢山の種類があります。各製紙メーカより様々な種類や厚みが豊富に用意されていますが、どの厚みがどのような印刷媒体でよく使われているかをご紹介します。

※なお以下で紹介するkgはすべて四六サイズベースで換算しています。

55kg・68kg~70kgは薄紙系でチラシが主流

チラシでよく使われる紙厚としては55kgや68kg・70kgも頻繁に使用されます。

折込チラシなどはこの厚みが良く利用されており、薄紙となりますので高速の輪転機で印刷されることが多くなります。
紙厚が薄い事が要因で、裏移り(表面の絵柄が裏面から透けて見える)など懸念される事もありますが、価格的にはリーズナブルでもあります。

70kg・73kg~90kgはリーフレットやパンフレットの本文用紙に多く使われます

70kgや73kgはリーフレットで折り加工の多いDM用などでよく使用されます。紙が程よく薄い為に、折り加工がかさばっても、紙シワなどのトラブルも少なくスムーズに加工できます。

またパンフレットやカタログなどページ数が多いものは表紙は厚つめの見栄えの良い紙を使用する反面、本文(中身)は比較的に紙厚の薄い70kg~90kgの厚みがよく用いられます。本の厚みにも繋がり重くならないように工夫されたりしています。

110㎏・135kgはポスターやパンフレット表紙など用途は多彩

110kgや135kgはポスターに適した厚みとしてよく利用されています。A1やB1サイズのポスターなどは大判サイズである為に紙厚がある程度ないと、ヨレヨレで破れたりする恐れがありますので、このぐらいの厚みは必要となります。

またカタログやパンフレットの表紙でも人気でよく使用されています。110kgでは少し薄い感じがしますが、135kgであれば、紙にコシもありしっかりとしたイメージとなります。

更には135kgはハガキなどの定型サイズにも人気であり、DMや長3サイズ(120×235㎜)でも使用される事があります。

135kg以上~160kg・180kg・220kgポストカード・パッケージやPOPで人気

135kg以上の厚みでは、160kgや180kg~220kgと幅広く厚みが存在しますが、主には先程のカタログ表紙で160kgや180kgも使用されることもあります。主流としてはポストカードやパッケージである程度厚みが必要な場合よく利用されています。

パッケージや売り場で目立つPOPではトムソン抜き加工など箱にする為に、型抜きをおこなったり、傷などがつかないように表面加工でPPなどのフィルム加工を施すこともありますので、強度が求められますので、180kg以上の紙厚が必要となります。

その他にも220kg以上の紙厚なども存在しており、かなり強度が必要なPOPや格式の高い挨拶状や招待状などもかなり厚めの紙が用いられます。

プリプロ編集長

様々な紙の厚みがありますが、印刷媒体に応じてチョイスする事でベストな印刷物が仕上がりますので、紙厚は非常に重要ですね。

まとめ

今回は紙の厚みが何故『kg』で表現されているかをご紹介してきました。

印刷物を発注する際に当たり前のように使用していましたが、今回の説明で少し謎が解けたのではないでしょうか?

厚みはkg1000枚の連量で表現される

紙は1,000枚の単位を1連(1R)とし、その重さが何キロになるかで厚みが表現されます。
四六判サイズの紙であれば、1000枚の重量が110kgある場合はその紙厚は『110kg』と認識されています。
また紙サイズが違えば、重量は変わりますが厚みは同じものとなります。菊判サイズで93.5kgは四六サイズ135kgと同じと言えます。

紙の厚みに適した印刷物のチョイスをしましょう。

チラシに利用される厚みは55kg~70kg、パンフレット本文であれば70kg~90kgのように適した紙厚が存在します。他にはポスターは110kgや135kg ハガキやポストカードには135kg~220kgまでがよく利用されており、180kgや220kgはパッケージやPOPにも非常に最適な厚みとなります。

実際には選択する紙や製紙メーカにより、同じ紙厚でも特徴は差がありますので、迷われた方は紙の見本帳で確認したり、身近な相談できる印刷会社の方に確認をする方が安心ではないでしょうか。

有意義な印刷物作成にあたり、紙厚は非常に重要な要素と言えます。

今回は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

製版・印刷関連の営業職を20年以上続けており、
日々の仕事で経験した色々な知識やエピソードを紹介していきます

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