スミ単100%とリッチブラックの違いとは

印刷でスミ100%で文字を印刷することが殆どではありますが、今回はスミ100%とリッチブラックのとの違いについてご紹介していきます。

スミ単一100%とリッチブラックにはどんな違いがあるのか、またリッチブラックの効果や利用シーンなどもお伝えしていきます。

リッチブラック…名前だけみると豪華なブラックって
ことかしら?

目次

リッチブラックとは

まずはリッチブラックとは一体なんでしょうか?

リッチブラックとは通常印刷で使用されるスミ(ブラック)100%に他の3色(CMYK)の色を混ぜた色の事を言います。

見た目は同じ黒色ですが、スミ100%で使用する黒色より、更に黒くより濃厚なブラックとなります。

プリプロ編集長

スミ100%のみの黒色より、より深みのある黒が
リッチブラックという事になります。

リッチブラックの配合

リッチブラックとは通常のスミ100%の濃度より更に黒くなるとお伝えしましたが、実際印刷時における濃度設定はどのようなものかをご紹介します。

スミ100%のにCMYの3色をどのぐらいの割合で入れるかと言いますと、各3色それぞれ30%~40%ぐらいの数値が目安になります。

より黒くしたいという事もあり、それ以上の配合で 他の3色を 60%や70%を入れた方が、効果的ではないかと思われますが、実際印刷した場合はそれほど濃厚にはなりません。

更に4色ベタ(CMYK各色をすべて100%)にした場合は、印刷時におけるインク総量の許容範囲を超えてしまい、印刷したインクが乾きにくい事で、汚れや裏移りなどのトラブルにも繋がります。

インク総量が360%を超えるとかなり印刷しづらくなります。4色ベタの総インク量は400%となりますので、リッチブラックとしてはB100%、C40%、M40%、Y40%ぐらいのインク量が望ましいと思います。

プリプロ編集長

インクの総量が多すぎると印刷に支障をきたしますので、
データ制作の際には色指定には気をつけてください。

リッチブラックの活用例と注意点

では印刷するにあたりリッチブラックはどのような時に活用されるのでしょうか?

ブラックの表現はスミ100%のみでも充分に表現できますが、リッチブラックの使いどころはデザイン性によるものが多くなるのではないでしょうか。

リッチブラックの活用例

高級感ある雰囲気を出したい時に活用

通常のスミ100%と並べて濃淡でデザインに変化をつける

モノクロ印刷っぽく見せて、実は4色印刷

リッチブラックの注意点

スミ100%と違いオーバープリント処理が効かないので版ズレが起こりやすい

ベタ面積が多いとインク量も多くなり、汚れやすくなる

印刷用紙により色の変化や沈み具合が変わる為、紙選びは大事

リッチブラックでより奥深い印刷表現を

リッチブラックを活用例と注意点をご説明しましたが、リッチブラックは見た目が黒色なので、カラフルな色目ではなく、特色のような鮮やかな表現はできませんが、印刷の奥深さを表現するには非常に効果的だと感じています。

スミ単色での表現はスミ1%~100%の間のみでしか表現できません。そこに3色が加わる事で非常奥深い階調の表現が生まれます。色の奥行きは味わい深いものがあり、濃淡で様々な表現をする事が可能になります。これは写真画像においても同様に表現力が増し、深みと奥行きが伝わります

写真集では人物のデティールを細部まで表現し、生きた印象を与えることに繋がります。。また記念誌で使用する写真画像も昔ながらの懐かしい感じやノスタルジアな表現を4色で上手く表現することが出来ます。 伝統や格式のような雰囲気も4色で表現するブラックであるがこその業ではないでしょうか。

プリプロ編集長

リッチブラックによる表現で印刷物をより魅力的なものにする事ができますね!

まとめ

今回はスミ単色の100%であるブラックとリッチブラックとの違いについてご紹介してきました。

リッチブラックとはより濃厚で重厚なブラックであり、印刷効果に深みや味わいをもたらしてくれます。

スミ単100%とリッチブラックの違い

スミ単100%リッチブラック
濃 度1色のみで弱い4色表現で重厚な濃度
版ズレ等のリスクスミノセ可能でズレ無し他の3色との見当ズレあり
印刷用紙コート、マット、上質等コート、マットが良い上質は沈みやすい
表現力単色なので乏しい4色での表現で奥行きがでる
主な印刷媒体新聞やマニュアル書など文字情報主体カタログ、写真集などにも利用
スミ単とリッチブラックの比較

スミ単100%とリッチブラックでの表現を上手く使い分けてデザインし、印刷媒体の特徴を理解して、制作していきましょう。

今回は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

製版・印刷関連の営業職を20年以上続けており、
日々の仕事で経験した色々な知識やエピソードを紹介していきます

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