カタログや雑誌の表紙って色々な加工がされているのをご存知でしょうか?
キラキラ光っていたり、艶消しのような加工がされていたり、または文字の形で穴があいていたり…
表紙は本の顔になる部分なので、目立つように工夫されていることが多くあります。
インパクトを与える表紙の加工技術はいろいろたくさんありますので、
ここではその代表的なものをご紹介します。
表紙の加工 PP加工とは
PP加工って何でしょうか?
PPとは(ポリプロピレン)のことをいいます。プラスチックの素材などにも使われ、熱処理をした樹脂となります。
日常的にも良く使われる素材であり、表紙の加工にも透明のフィルム素材として使用されております。
PP加工のことをPP貼りと言うことも多く、表紙や裏表紙(表4)に全面にフィルムを貼りつけて加工をします。
光沢がある加工をグロスPP加工、また艶消しのような肌触りの良い質感のフィルムを貼り付ける加工をマットPPと呼びます。カタログのテイストに合わせてお好みで選ばれる事も多く、費用的にはマットPPの方がお高くなります。
主な用途は、表紙を目立つように演出したり、キズや汚れなどを防いだり表面保護の役割をします。
フィルムを貼る面が表紙の片側だけになりますので、ある程度の紙の厚みがないとフィルムに引っ張られ紙が反ることもあります。
またPP加工をすることによって、印刷した色が変化します。光沢PPの場合は赤色系が濃くなったり、マットPPの場合は全体的に色の濃度がUPします。使用する紙によって変化も違いますが、表紙に写真を使用する際には色の変化に充分注意をして事前に色校正をおこない確認しましょう。
表紙の加工 箔押し加工とは
次は箔押し加工についてご説明します。
箔っていいますと金箔などを思い浮かべるかもしれませんが、印刷加工で使用する箔押しも金や銀などのきらやかな箔を使用します。箔押し加工も表紙の加工でよく使用される加工の一つであり、会社案内や記念誌、または名刺などにもよく利用されます。
箔押し加工は、ホットスタンプとも呼ばれています。 押したい金型の版を作成し、印刷物に高温な熱でプレスすることによって金や銀のキラキラした箔が転写されます。
キラキラした金や銀の箔が代表的ですが、同じ金や銀でも艶消しの箔もあり、色のついたカラフルな箔も存在します。
印刷物の表紙のテイストにあわせて、効果的に表現することで高級感ある仕上がりになります。
その他にもレインボー箔やパール箔など華やかな表現ができる箔も存在します。
あまり細かい文字や線などは箔押しが潰れてしまったり、切れそうになったりするかもしれませんので、ある程度の大きさや太さは必要になります。
先程ご紹介したPP加工とあわせて、箔押し加工をする事も多くより高級感や上質感が表現できます。
ただPPも箔押しもそれぞれ工程が別となりますので、日数を要したり、金額面でも双方を行うと高価になります。
それゆえに特別感もあり、記念誌などには箔押しは良く使用されています。
表紙の加工 トムソン抜きとは
最後にトムソン抜きについてご紹介します。
トムソン抜き(ビク抜き)は箔押しと同じく型を作成し、その型の形で紙をくり抜く加工となります。
四角や丸の形にくり抜いたり、文字の形でくり抜いたりして表紙から本文の中を見せたりとデザイン的な処理ができる加工です。
型を作るのは箔押しと同じですが、トムソン加工は木型と呼ばれるベニヤの合板に金属の刃を取り付けて機械で曲げたりしながら刃型を作成します。こちらも細かい曲線や入り組んだ形状は難しく、輪郭として細かすぎない方がベターです。
作成した型でプレスをおこない、型に埋め込んだ刃が浮き出し紙を抜き切る仕組みとなります。
紙を抜いた後にカス取りと呼ばれる作業を行い、抜いた紙が残らないように処理します。
表紙に使用する紙は一般的に厚いものが良く使われますが、あまり薄くなると破れたりする可能性がありますので、135㎏以上の紙厚がお薦めとなります。
表紙加工の他にもトムソン加工は頻繁に使用されており、パッケージは必ずトムソン加工がおこなわており、シールやPOPなどにもよく使用されています。型を作成するには日数と費用はかかりますが、別で金型を作成するブッシュ抜きやポンス抜きなどと比べて制作物にもよりますが、安価であると言われています。
まとめ
簡単ではありますが、今回は表紙加工の代表的な3種類をご紹介しました。
●PP加工
表紙にフィルムを貼り付ける加工(光沢やマット調のフィルムがある 表面保護にも役に立つ)
●箔押し加工
箔版を作成し金や銀の箔を熱処理にょりプレスして紙に転写する加工(光沢感ある加工が特徴 艶消し、色箔など種類も豊富)
●トムソン抜き加工
木型と呼ばれる型を作成し機械でプレスして紙を型通りに抜く加工(文字や柄など様々な形で紙を抜くことが可能)