特色カラー 上手く利用する方法

今回のテーマは特色カラーについてお話していきます。

特色とは何?? 特別な色って意味? など疑問点も多いと思いますが。。

今回は印刷物における特色についての説明と特色を上手く利用する方法をご紹介させていただきます。

この記事の内容
  1. 特色とは何
  2. 特色を使用するメリット
  3. 特色を使用するデメリット
  4. 上手く特色を利用する方法
  5. まとめ
目次

特色とは何?

まずは印刷物における特色の意味からご紹介します。

特色とは何かと言いますと、通常のカラー印刷の場合は基本の4色(CMYK)ですべて再現が可能となります。
ただ世の中には様々な色が存在しており、基本のCMYKの色では再現できない色があります。

そのような再現できない、しづらい色をズバリ補うことができるのが特色と呼ばれる『スポットカラー』といいます。


代表的な色で言いますと、金や銀色は基本色では再現できない特別な色となります。
他にも、蛍光色の黄色やピンクなども特別な色として挙げられます。


チラシやパンフレットのデザインで特に表紙を目立たせたりする際に特色を利用したり、カラー印刷では無く、
2色印刷(モノクロの黒と特色の2色)で印刷されるチラシなどにも利用される事があります。


それ以外にも特色と呼ばれる色は数多く存在しており、DICカラーやPANTONEなどインクメーカ様による特色チップと呼ばれる見本帳が存在しており、デザイナーさんが特色をチョイスして印刷会社へお願いする事になります。

赤や緑など基本色から黒やグレーにも特色が存在し微妙な色の違いや再現性を表現する際に特色を使用します。

特色を使用するメリット

特色の説明を簡単に説明してきましたが、ここでは特色を使用するメリットをご紹介していきます。

まず特色は特別な色として挙げられる事が特徴であり、インパクトを与える色であったり、企業のロゴマークなど指定の色を表現する時に有効です。

特色を使用する3つのメリット
  • インパクトを与える特徴がある
  • ロゴ色など指定された色を忠実に表現できる
  • 2色印刷や1色(単色)印刷の時にも自由に色を選択できる

インパクトを与える特徴がある

1つ目のメリットはインパクトを与える特徴があるということです。

インパクトを与えることができる特徴としては表紙の色に鮮やかな色を使用したり、目立たせる事が可能となります。特に通常のカラー印刷(CMYK)で表現しづらい、金色や銀色、蛍光色など鮮やかな色はおススメとなります。

ロゴ色など指定された色を忠実に表現できる

2つ目のメリットはロゴ色など指定された色を忠実に表現できるということです。

企業のロゴ指定色やパッケージなどで鮮やかな色やパステル(淡い)色などを表現したいときにも特色が有効です。レギュラー色には表現できない濁らない鮮やかな色が表現できます。

2色印刷や1色(単色)印刷の時にも自由に色を選択できる

3つ目のメリットは2色印刷や1色(単色)印刷の時にも自由に色を選択できるということです。

2色印刷や1色(単色)印刷を行う場合も特色は有効です。通常のレギュラー色の単色は4つの色(C=シアン・M=マゼンタ・Y=イエロー・BK=ブラック)に限られているため、1つの色で他の色を表現したい場合は特色が有効です。

ピンクや紫・緑などレギュラー色であれば2色や3色を使わないと表現できない色をズバリ選択することが可能です。チラシや写真の少ない説明文の多い印刷物では1色や2色印刷で特色を使用することにより、インパクトをつける事も可能となります。

特色を使用するデメリット

特色は使用するメリットも多いのですが、逆にデメリットも存在します。ここでは特色は使用するときに生じるデメリットをご紹介します。

特色を使用する3つのデメリット
  • 4色カラー印刷と特色を同時に使用する5色印刷では印刷の見当合わせが難しくなる
  • 4色カラー印刷と特色を使用すると金額面で高くなる
  • 特色は見本のチップ(DICやPANTONE)のインクを調合するため、時間が必要となる

4色カラー印刷と特色を同時に使用する5色印刷では印刷の見当合わせが難しくなる

1つ目のデメリットは4色カラー印刷と特色を同時に使用する5色印刷では印刷の見当合わせが難しくなるということです。

4色カラーと併せて使用する事もある特色ですが、印刷するうえにおいて特色は使用する色を表現するためにバックに他の色がある場合、毛抜き処理という作業でバックの色を抜く必要があります。

この際に抜いたバックの形と特色の形がピッタリ合わないと白がでてしまい、印刷物として見栄えが悪くなります。その精度を上げるために、印刷するうえで見当合わせとよばれる位置合わせをしっかり行う必要があります。

ただ紙が薄かったり、抜く箇所が細かな文字の場合は見当が入りづらく、ズレる可能性もあります。その際に被せ処理として抜く形の大きさより一回り抜かれる方のオブジェクトを小さくするなどして被せを行う必要があります。

※毛抜き合わせ・見当合わせについての詳細は下記にて

異なる印刷絵柄を並置デザイン指定する場合に,髪の毛1本の隙間なく見当合せすること。

印刷用語集:毛抜き合わせより/一般社団法人 日本印刷産業連合会より引用

印刷機を調整したり,版の位置を動かして,被印刷物の所定の位置に印刷できるように調整すること。

印刷用語集:見当合わせより/一般社団法人 日本印刷産業連合会より引用

4色カラー印刷と特色を使用すると金額面で高くなる

4色カラーと特色を双方使用することで、鮮やかな表現や目立つ印刷物を作成できますが、4色カラー印刷+特色1色の5色印刷となり、金額面で高価になります。

視覚効果をUPする上での特色利用となりますので、金額的に余裕のある媒体が多いと思いますが、通常のカラー4色印刷と比較すると、版(1版)分と特色1色分の印刷費用がUPします。

また使用する特色が金色や銀色、蛍光色などはインクそのものが高価な為、特色を使用する面積(範囲)により費用も高くなります。

特色は見本のチップ(DICやPANTONE)のインクを調合するため時間が必要となる

特色を使用するには色の見本であるチップ(特色の見本帳)DICカラーやPANTONEなどのインクメーカが提供している見本帳のようなもので色を決定します。

DIC100やPANTONE○○という感じで指定された色が沢山あり、その中から好きな特色を選択して印刷会社へお願いします。

その見本に応じてインクを練りこんで調合し特色インクを作成することになりますので印刷会社のオペレータがインクを練る時間が必要となり、、部数や特色を使用する量によって納期を要することになります。

上手く特色を利用する方法

特色を上手く利用することにより、印刷物がより綺麗に見栄えし有効な宣伝効果にも繋がります。

特色は頻繁に使用するものではありませんが、1色(単色)や2色印刷の需要は割と多く見受けられます。
カラー印刷では特色を使用する機会が少ないため、1色や2色での印刷機会に色々な刷色を試してみるのも上手く特色を利用する方法の1つと言えます。特色を効果的にかつ上手く利用するおススメを紹介します。

特色を上手く利用するための4つのアドバイス
  • ロゴ色などは指定色が決まっている為、特色で指定する方が効果的です。
  • 特色同士を掛け合わせて違った色を演出できる
  • 目立つ箇所のみに特色を使用して、費用ベースを抑える
  • 派手な色のチョイスから微妙な色のチョイスまで特色の選択をおこなう

ロゴ色などは指定色が決まっている為特色で指定する方が効果的です。

特色を上手く利用するための1つ目のアドバイスはロゴ色などは指定色が決まっている為特色で指定する方が効果的です。

ロゴマークなど必ず指定色があるものは印刷するたびに色が変化するとクレームの基となります。特に企業ロゴなどは会社の上層部の方も気にすることが多く、企業の顔になる部分です。特色で指定する事により、色の変化のブレが少なくトラブルをおこさないように印刷することが必要です。 

特色同士を掛け合わせて違った色を演出できる

特色を上手く利用するための2つ目のアドバイスは特色同士を掛け合わせて違った色を演出できるということです。


1回の印刷発注で特色を2色使用する場合、(だいたい2色印刷の場合は特色1色+スミ【黒】ですが…)特色同士を掛け合わせて、新たな色が表現できます。 淡いピンクと淡いブルーと色をまぜると、淡いムラサキ色のような色が表現できたり、緑と赤系等の特色を掛け合わせて、黒っぽい色を表現できたりします。特色を2色同時に使う例は頻繁にはありませんが、このような局面の場合、色を掛け合わせて別の色を使用することで紙面の色のバリエーションが拡がります。

目立つ箇所のみに特色を使用して費用ベースを抑える

特色を上手く利用するための3つ目のアドバイスは目立つ箇所のみに特色を使用して費用ベースを抑えるということです。

特色を利用する際には効果的に目立つ箇所に使用することがおススメです。カタログであれば表紙やカテゴリーの扉ページなど限定的に使用する事で費用も抑えることができます。全頁に鮮やかに表現できればベストではありますが、昨今の印刷費用圧縮の情勢を踏まえると、ピンポイントで利用することでコストパフォーマンスに貢献できるのではないでしょうか。

派手な色のチョイスから微妙な色のチョイスまで特色の選択をおこなう

特色を上手く利用するための最後のアドバイスは派手な色のチョイスから微妙な色のチョイスまで特色の選択をおこなうことです。

特色には様々な色が数多く存在します。目を見張る鮮やかな色やレギュラー4色と微妙に差異がある色など様々です。
印刷媒体の特性を良く理解し、特色を使用できるのであれば、色のチョイスは重要となります。特に表紙などは明るい目立ちやすい色が好まれる事も多く、ビビットな色も多く使用されています。

またレギュラー4色との調和で補色のような扱いで特色を使用するのも味な表現が可能となります。デザイナーさんが印刷物の内容や特性を理解して、クライアンユーザー視点に立ち色の再現性を拡げることでデザインが生きる印刷物が出来上がるのではないでしょうか。

まとめ

特色について簡単に説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

印刷をするうえで、基本となるカラー印刷のレギュラー4色(CMYK)のウエイトはかなり多くを占めています。


今回紹介しました『特色カラー上手く利用する方法』は普段使用しない特別な色である特色を利用することで、印刷物の表現をより効果的にすることが可能となります。

印刷物を作成する際に色の表現で困ったりすることがでてきます。『もっと鮮やかな色の表現をしたい!』、『アピールポイントである訴求する文字を目立たせたい!』など沢山あるのではないでしょうか。

特色の事を理解した上で、効果的な利用方法を見つけだして印刷物作成の参考になれば幸いです。

おさらいとして特色を上手く利用することの3つのポイントをまとめました

①特色は表紙など目立つ箇所でインパクトある色を使用しましょう。
②使用する範囲(面積)や箇所によっては値段がUPするので、効果的に絞りこんで利用しましょう。
③印刷媒体が何であるかを理解して、特色の色選びを適切に行いましょう。

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この記事を書いた人

製版・印刷関連の営業職を20年以上続けており、
日々の仕事で経験した色々な知識やエピソードを紹介していきます

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