印刷物に関するトラブルって一度は経験したことがないでしょうか?
印刷会社やネット通販印刷で発注をして納品日を迎えたら…トラブルが発生!
せっかく発注したのに…何故って思われる事も多いのではないでしょうか。。
印刷トラブルって何だか怖いですね。。。
納品までが色々心配ですね。。
トラブルは発注されたクライアント様に多大な迷惑と労力をかけてしまいます。それと同時に印刷会社も原因の究明やリカバリーに奔走することになります。
今回は印刷物でよく起こりえるトラブル5選をご紹介致します。
トラブルになる原因や対策など実体験を踏まえてご紹介していきたいと思います。
●トラブル1選 印刷時の汚れ:インクの付着や擦れ
●トラブル2選 折り加工での汚れ
●トラブル3選 折り加工のずれやシワ
●トラブル4選 色の仕上がり具合が悪い
●トラブル5選 納品でのトラブルあれこれ
トラブル1選:印刷時の汚れ:インクの付着や擦れ仕
印刷物で起こるトラブルの中で最も多いとされているのが
印刷での汚れが原因として挙げられるます。
様々な印刷物がある中で、頻繁に起こるトラブルの1つが印刷時の汚れとなります。印刷の汚れはインクの付着や印刷したものを積み上げていく際に擦れが生じて汚れにつながる事が多くなります。
もちろん使用している紙質やデザイン的に濃度の濃い色を広範囲に使用しているなど、様々な条件が加味されることで、頻度は上がります。紙で言いますと、コート紙よりもマットコート紙さらに、上質紙などは汚れてしまう要素が多くなります。更に特殊紙などは風合いがある一方で紙の表面がラフ調(滑らかではない為)の為、通常のコート紙よりもインクの吸収が多くなり、汚れやすくなります。
ただ様々な要望で印刷物はオーダーされますので、「単に汚れます」では通用しませんよね!
そこで受注側の印刷会社サイドも様々な工夫はしております。汚れやすい紙やデザイン的に濃度の濃い色を広範囲に使用している場合などは、ニス引きをおこなったり、印刷方式をUV印刷に変更するなどして対策が練られています。
ニス引きなど対策することでトラブルが軽減できればベストですね
汚れの種類:裏移り・ブロッキング
では具体的に印刷時の汚れの種類をご紹介します。
1つ目は裏移りと呼ばれる現象です。印刷物は高速回転でどんどん印刷されています。刷り上がった印刷物の上に次の印刷物が上に重なって積み上がります。この時に裏面が汚れてしまう事を裏移りと呼んでいます。
さらに裏移りした印刷物が貼りついてしまう現象をブロッキングと呼んでいます。共にインクの付着が要因となりますが、特にベタ色(誌面全面が濃度の濃い色で満たされている)を使用している場合などは起こりやすくなります。
インクの総量が多かったり、盛りすぎる(過剰にインク量が多くなる)場合なども原因となります。
汚れの種類:裏抜け
次は裏抜けという現象です。先程の裏移りと表現は似ていますが、裏抜けとは印刷した面の内容が裏面ににじみ出てしますような現象を言います。インクの成分が浸透してしまい、裏面に表面の内容が映ってしまいます。上質紙など浸透しやすい紙に起こりやすくなります。また高速印刷の代名詞でもある輪転印刷でチラシなど薄紙を使用する場合も見受けられます。
汚れの種類:ピンホール
次にご紹介するのはピンホールという現象です。名前からはどんな汚れなのか…想像がつきにくですよね。。
このピンホールという現象は印刷絵柄の中にほんの小さな白い点や丸のようなものが付着してみえる現象を言います。
この現象は先程のインクが付着するような事ではなく、印刷するインクローラやブランケットと呼ばれる転写するゴム胴に小さなゴミや埃などが付着する事で、本来インクが付くところにインクが付かず、白く抜けた状態になることで発生します。
また紙粉(しふん)と呼ばれる紙の表面に付く粉末状のゴミなどが付着して汚れになる事もあります。紙は繊維で出来ていますので、カットした際に細かな粒子のようなゴミが表面にあることでインクが上手く乗らなくなります。
印刷時の汚れだけでも随分たくさん種類がありますね。。
特に印刷する紙質やベタ面積の多い絵柄などは印刷前から
注意しておく必要がありますね。
トラブル2選:折り加工での汚れ
今度は折り加工での汚れ?
印刷時だけではなく、加工する際にも気をつける必要があるのか。。
そうですね。。印刷後も加工という重要な工程がありますが、
そこでも残念ながら汚れにつながる原因がありますね。
印刷が終了し、加工に入る際に折り加工でも印刷時同様に汚れが生じることがあります。
折り加工となりますので、2つ折りや3つ折りという感じで展開していた印刷物を折りこんでいきます。またパンフレットなどは頁物になりますので、4P折りや8P折り、16P折りと印刷したシート状のものをサイズに合わせて折りこんでいきます。
その際に折りこむ圧でインクが乾ききれていない状態であれば、擦れが原因となり汚れにつながる事があります。
もちろん印刷してから、その様な事が起こらないように十分に乾かした状態で折り加工を行いますが、この場合も先程同様に印刷用紙が上質紙や特殊紙などを使用している場合やベタ濃度の多い印刷物は非常に汚れやすくなります。
対策としてUV印刷(紫外線でインクを硬化する)の方式で速乾性を持たして、加工を行うなどで対応は可能です。
また汚れではありませんが、紙が厚くなる場合(135㎏以上使用)などで折り加工をする場合、特にベタなどが全面に印刷されている場合は折り部分のインクが剝がれ白く割れる事があります。この場合も筋入加工で折り易くしたり、PP加工で表面を保護を行うことで緩和はされますが、完全に防ぐ事は難しくなります。
トラブル3選:折り加工のずれやシワ
汚れは理解しましたが…次は折り加工や製本のずれって一体…
汚れ以外にも加工した際に折りがズレたり製本でシワが残ったりして
トラブルになる事もありますので、注意が必要です。
折り加工のズレ
印刷した後はそのまま断裁して仕上がる印刷物もありますが、2つ折りや3つ折りなどの加工を必要とするものやパンフレットのように製本する場合もあります。その際に折り加工をする場合に僅かに折る位置からずれたりすることでトラブルになる事もあります。
2つ折りではまず、ずれたりする事は少ないですが、3つ折りや4つ折り、DM折りなど折りが複雑になると紙の厚みなども要因となり、ずれる事が多くなります。折り機で精度を上げて作業はしますが、紙の厚み等でどうしてもずれが出てしまうこともあります。
パンフレットなどで見開きの文字や写真などが掲載されている場合はずれると見栄えが良くありませんが、センター(ページ中央)に掲載される写真等には注意が必要です。
※折り加工に関しての種類は下記の記事内容で詳細が確認できます。
折り工程でのシワについて
パンフレットなどページ数が多いものは折り工程後、製本作業が必要となります。
その折り工程においても、シワが残ったりして、トラブルになる事もあります。
製本での注意点は中綴じ製本(センター真ん中をホッチキス止め)や無線綴じ(表紙の部分に背幅がある)などで、それぞれありますが、中綴じ製本、無線綴じ製本共に、各折り帳と呼ばれるものがあり、1折、2折という風にページ数に伴い折り帳の数が増えていきます。
その折り工程で、ずれがあると製本で合わせて綴じる際に、微妙に誤差が生じ本として出来上がった時に、見開いた状態でずれが生じます。
折り工程でのシワはトンボに沿って折り工程を重ねていく中で、空気が上手く抜けず紙に負荷がかかり、シワになることがあります。その為に紙の厚みにより、折り加工するぺージを8Pにしたり4Pにしたり工夫する事でシワが出ないように調整をしていきます。
トラブル4選:色の仕上がり具合が悪い
今までは汚れやズレなど、見た目で印象が悪いトラブルでした。
今度は印刷した色がどうも良くない場合もトラブルになりやすいです。
色が良くないって変な色であがることかしら…
印刷した仕上がりの色が悪い場合は、その前工程で提示した色校正と比較して色目が違うことがあげられます。
色校正ではクライアンによるチェックで校了を経て印刷に取り掛かりますが、その色校正と仕上った印刷物があまり色目が違うとクレームになる恐れもあります。
印刷では色校正を色見本として印刷をおこない、できる限り色見本に合うように印刷で色合わせおこないますが、紙質やインクの流れなどを踏まえても、あまり色目が違うとトラブルになります。
このような事が起こらないように色見本に合わせて印刷をおこなう訳ですが、最近では色校正を提示することも少なくなっていますので、PDFで確認したモニターでの色やインクジェットで出力したカラーコピーの色が実際印刷で刷り上がった色との差にギャップがあり、トラブルへと繋がります。
アパレル系のパンフやモデルが絡む雑誌など、写真が決めてになる印刷物は印刷する紙なども考慮に入れてクライアントが求める色を頭に入れて印刷物でトラブルにならない様に慎重に色目を確認して印刷する必要があります。
色校正は印刷の目安になる色見本になりますので、後にトラブルに発展しないように、必要であれば提示してクライアントの確認を得ましょう。
※色校正に関する詳しい記事は下記にてご紹介しております。
トラブル5選:納品でのトラブルあれこれ
さて最後にご紹介するのは、印刷物が仕上り、梱包していざ納品する時のトラブルをご紹介しておきます。
最後の納品時にもトラブルが… 最後まで安心できませんね。
以外に多い納品時の代表的な4つのトラブル
- 納品時間に間に合わない
- 納品する数量に間違いがある
- 輸送時に商品が傷ついたり、損傷する
- 発送費をめぐるトラブル
納品時間に間に合わない
印刷物は納品日に時間指定で納品する場合も多くあります。その際、時間通りに商品である印刷物が届かない場合はクレームやトラブルに発展してしまいます。
イベント開催で使用するチラシやリーフレット、当日で使用するセミナー等の資料など、当日に使用する恐れがあるものは時間指定で納品することも多く、宅配便等で時間指定をしていても、渋滞や物の集配の関係で遅れることも割とありますので、より確実に時間を間に合わすのであれば、運送会社でのチャータ便などを利用して、時間遅れを防ぐように努めるようにしましょう。
納品する数量に間違いがある
次は納品する箇所が複数になる場合で印刷物の内訳数量が間違っているケースもトラブルになります。
当然ながら、その場所で使用する数量と差異がありますので、特に数量が足りない場合は大きなトラブルになることもあります。
こちらは単純な伝え漏れなどが原因です。伝達手段で食い違いや、見落としなどイージーなヒューマンエラーで起こることが多く、納品前日には必ず再確認することが必要です。また口頭でのやり取りは伝え漏れの一番の原因にもなりますので、数量や納品箇所が変更になる場合はメールなど書面で残るような伝達手段でミスをなくし、トラブルを未然に防ぐことが必要です。
輸送時に商品が傷ついたり、損傷する
せっかく納品した印刷物が届いたら、欠損していた…なんて事があるとこれもトラブルに発展してしまいます。
輸送中に商品がぶつかったり、擦れたりして印刷物が傷むこともあり、ページが折れたりしてシワや傷がついたりと使用するにあたり、クレームになることもあります。荷物が混載している場合では積荷同士でゆとりがあれば問題ないですが、過剰に積荷がある場合は荷崩れや荷物が輸送中の振動で擦れて傷む恐れがあります。
基本はクラフト包装をし、梱包時に印刷物が傷つかないように保護はしていますが、荷物を積み込む時や、降ろす時に角が当たったり、擦れたりして中身の印刷物が傷つく事もあります。納品時で手降ろしする際は取り扱いにも充分注意が必要です。
これは印刷物に限らず、他の商品でも同様の事が言えますので、印刷物だから特別ということではありません。
こちらは注意するにも、委託先である発送業者や運送会社の問題となりますので、依頼先としては対策を講じるのも難しいことだと思います。出来るだけ、丁寧に運搬してもらえる業者を選ぶしかありません。
発送費をめぐるトラブル
最後は納品時の直接的なトラブルではありませんが、発送費をめぐる金額面での問題です。
トラブルって言いますと少し大袈裟ではありますが、ただ発送費や納品費用は当初の金額よりも、変更してUPする事も多く費用がかかり過ぎる場合は後に費用面で揉める原因にもなります。
納品状況が最初から分かっている場合は問題ではありませんが、複数納品する場合やその数量が納品日間際まで決定しない場合は、納期を優先すれば費用が高くなったりする事もあります。特に50や100カ所を越えるお店などに直送する場合は、基本全国各地へ納品する事になりますので、大手の運送会社へ宅配便で送る事になりますが、数量や納品指定日などで金額が変動することもありますので、最終的な費用は納品後に明確に試算して発送費を提示するのが賢明かと思います。
積荷に大きさや重量などで金額も変わりますので、大雑把に費用を出すことも出来ませんので、発送が複数ある場合は最後に見積費用としてお互いが確認をとるようにすれば、揉める要素の少なくなるのではないでしょうか。
納品に関するトラブルも色々ありますが、
時間や数量は確認を徹底することで、かなりトラブルは回避できるのではないでしょうか。
まとめ
今回は印刷物においてトラブルになりえる5選をご紹介してきました。
発注側にとっても、受注側にとっても非常に辛いトラブルはできる限り回避して起こらないようにしたいものです。
もう一度まとめとして印刷物でい起きやすいトラブル5選を見ていきましょう。
- トラブル1選 印刷時の汚れ:インクの付着や擦
裏移りやブロッキングと呼ばれる印刷時におこるトラブル - トラブル2選 折り加工での汚れ
折り加工で、抑えつける際や、擦れて汚れがおこるトラブル - トラブル3選 折り加工でのずれやシワ
折り加工での少しのずれで製本した際やDM折り等の複雑な折り加工ではずれが生じやすい、また折りシワがでることもあります。 - トラブル4選 印刷物の色の仕上がり具合が悪い
見本原稿と比較して仕上がった印刷物の色が合っていないと、色目が悪いと判断されトラブルになることもあります。 - トラブル5選 納品時のトラブルあれこれ
納品する際にも、納品時間や数量、また納品物の欠損など様々なトラブルが起こりやすくなります。費用に関しても
最終内容をお互いに確認しスムーズに進行できるようにしましょう。
モノづくりにおいて、トラブルはつきものではありますが、印刷媒体においても、気を配ることでトラブルは減少できますので、確認事項を怠らずに展開していきましょう。
今回は印刷物における代表的なトラブルをご紹介してきましたが、まだまだ色んなトラブルや揉め事が数多くあります。ある種オーダーメイドである印刷物は認識のずれなどが影響して、クレームやトラブルになることが割とありますので、お互いに気になる事は事前に確認をして内容を詰めるようにしていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。