中綴じ製本の紹介と注意点

印刷物でパンフレットやカタログなどは製本されていることが多く、製本の種類にも一般的には『中綴じ製本』『無線綴じ製本』の2種類が主流となります。

今回は『中綴じ製本』についてご紹介していきます。中綴じのしくみや用途、適した紙厚や、注意点などを分かりやすくご紹介していきます。

目次

中綴じ製本とは

中綴じ製本とは表紙のノド(センター部分)に2か所ホッチキス止めをおこない製本します。

ホッチキス止めで製本

印刷物の製本で多く使用される製本方式であり、割とページ数が少なく、紙厚もそれほど厚くない場合に適しています。
A4サイズやB5サイズ、縦型や横型の製本も可能となります。

パンフレットなどのセンターページにホッチキス止めの閉じた部分が見えるのが特徴といえます。

中綴じ製本のメリットとデメリット

中綴じ製本は印刷物の中でも頻度が高いのはご紹介してきましたが、メリットとデメリットについてご紹介していきます。

中綴じ製本のメリット

中綴じ製本でのメリットは1つは本やカタログが見開きで見る際に開きやすいことです。他の製本方式に比べると開きやすく、デザインも見開きページ一杯までする事が可能です。よって見開きで大きな写真画像を使用することも可能となります。

2つ目としては、費用面で安くあがります。製本方式の中では無線綴じの様に、背表紙が無く糊付けする必要もありませんので、比較的製本費用が安くてすみます。

中綴じ製本のデメリット

中綴じ製本のデメリットとしては1つは、ページ単位が4P単位で構成されることが挙げられます。2P単位見開きの表裏で計4Pと計算されます。よって4の倍数のページ数では適しておりますが、デザインの都合上10Pや14Pなどの4で割り切れないページ数はどこかのページを3つ折りにして6P単位でおこなう必要があります。

2つ目にはページ数が多くなると製本しづらくなります。後にご説明しますが、ページ数が多い場合は本の膨らみが大きくなり、ホッチキス止めの強度が持たなくなって破れやすくなったり、最悪は表紙から本文が抜け落ちる事もごく稀に起こりえます。

中綴じ製本をする上で、目安となるページ数や紙の厚みをご紹介します。

中綴じ製本のページ数や紙厚の目安

●ページ数は紙の厚みにもよりますが、オススメは50ページぐらいまでが望ましくなります。
●紙の厚みは四六サイズで135㎏の紙厚までがオススメとなります。

50ページ以上でも中綴じは可能ですが、紙が厚くなると強度の問題やセンターページに近くなるにつれて、紙の厚みで表紙に近いページよりも誌面の面積が狭くなり、ノンブルやインデックス部分に弊害が出てしまいます。

紙の厚みも135㎏を越えると、本文で使用する紙厚としてはかなり厚くなりますので、製本時にシワが生じたり、開きにくくなったりしますので、あまり厚い紙は推奨できません。

中綴じ製本における注意点

では実際にパンフレットを印刷発注する際に中綴じ製本で注意すべき点をご紹介していきます。

データ制作上での注意点もありますので、入稿データを作成する際に気をつけておくべき重要な点でもあります。

中綴じ製本作成の際のデータ入稿注意点

ノド部分(センター)にかかる文字はできるだけスペースに余裕をもたす

ノンブルやインデックスがある場合は仕上がりギリギリに表示しないようにする

ノド部分(センター)にかかる文字はできるだけスペースに余裕をもたす

データを制作する際に、見開きで文字を大きく入れたりする事がよくあります。
その場合ノド部分(センター)に文字がかかる場合、ある程度(2㎜ぐらい)スペースを開けて文字を入れる方がよいです。

製本する際に、紙の厚みなどである程度余白がないと、文字が読みづらくなったり、最悪は文字が隠れてしまい読めなくなることもあります。パンフレットやカタログは人に読ませる事が目的となりますので、余白を設ける事で、見やすく読みやすくなります。

またデザイン的に可能であれば、できるだけ見開きで文字がまたがらないようにするのも方法の一つといえます。

その理由は製本時に少しズレが生じ左右のページで文字が上下にずれて見える事もありますので、体裁としてあまりよく見えません。

デザイン的な部分であまり必要なければ、片ページに収まるように文字をまとめる方が、印刷や製本上としては問題が出にくくなります。ただデザイン的な要素も、もちろん大事となりますので、そのようなレイアウトの際には、印刷会社へ注意点として促した方が良いと思います。

ノンブルやインデックスがある場合は仕上がりギリギリに表示しないようにする

次の注意点としましては、ノンブルやノンブルやインデックスがある場合は仕上がりギリギリに表示しないようにすることです。

パンフレットやカタログには必ずノンブル(ページ数を示す数字)が記載されています。(※稀にないパンフレットやカタログもありますが…)何ページかを表示するには必ず必要となるものです。

ノンブルの位置はほとんどが誌面の下の端に存在します。左下や右下部分に位置するノンブルはあまり誌面サイズの端に表示した場合、断裁時に切れてしまう恐れがあります。

特に中綴じ製本の場合でページ数がそこそこある場合(50Pぐらい)で紙が厚い場合(135㎏など)は最初の前半ページと比べて、真ん中にいけばいくほど紙の厚みが重なり、誌面面積が狭くなる為にノンブルが切れやすくなります。

ページ数が多い場合や、紙が厚い場合は特に注意が必要となります。

では、どのくらい余白をあければ良いかは正確な数字は決まっていませんが、一度作成する印刷物の束見本(パンフレットやカタログの製本見本※印刷はしていない紙だけの真っ白なサンプル見本)を印刷会社さんへ依頼して、実際のページ数や紙厚を確認したうえで、最初ページとセンターページでどのぐらい誤差があるか確認が必要です。

その上で、切れそうページは何ミリか内に移動し工夫する事で、実際仕上った際にノンブルの位置が綺麗に揃うことになります。インデックスがある場合も同様です。文字の位置を仕上がりサイズからギリギリにはせず、少し余白をとりノンブルの位置同様に切れないように注意が必要です。

こちらも束見本でノンブルの位置同様に確認することができますので、インデックスがある場合にはノンブル同様に確認することでトラブルを回避につながります。

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この記事を書いた人

製版・印刷関連の営業職を20年以上続けており、
日々の仕事で経験した色々な知識やエピソードを紹介していきます

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